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四つの窓〜長期入院を経験して

さちるのつぶやき 其の十一

情報登録日:2006-04-27 10:45:24 (sachiru7777)

最終修正日:2006-07-19 15:52:08 (sachiru7777)

さちるは、7歳まで足の手術のために長期入退院を繰り返しておりました。
退院してきて家にいる間は、近所の幼稚園にぽつぽつ通ったり、
公園の砂場で遊んだりした記憶もあるけれど、
大半を病院のベッドの上で、日がな一日ぼーっと窓の外を眺めて過ごす幼少期を送って おりました。
今でこそ、入院中のこどもの心のケアにも注意が注がれるようになりましたが、
さちるの幼い頃は、「病院は病気を治す所」であって、
患児の遊びや学習や心の発達にまで気を配るような 余裕や視点が、親にも医療スタッフにも行政にもありませんでした。
院内学級などもありませんでしたから、私は就学猶予ということで、学齢期に達しても学校には 通えませんでした。
親の口癖は「勉強なんかより先ず身体!」(ごもっとも・・・)

退院から次の入院まで3ヶ月、あるいは半年と期間があくのですが、
私は家でテレビのこども番組を見るという娯楽に出会いました。
番組名を書くと歳がばれるのでここでは伏せておきますが、 自由に出歩けない私にとっては、外の世界を垣間見れるドラマやアニメやバラエティに 引き込まれていきました。
でも、病院には当時ベッドサイドにテレビなんてなかったんです。
唯一プレイルームに一台ありましたが、悲しいかな、病院生活というのは外とは生活サイクルが 違います。
私のいた小児病院は、5時には夕飯を食べ終えて、7時半には消灯だったでしょうか。
プレイルームにいられるのは7時まで。7時になると看護婦さんたちがガラガラとカートを押して 私たちを拾いにやってきます。けれど、こども番組というものはたいてい夜の7時から始まるのです。 私は歩けない身体をずりずりひきずって戸棚に隠れ、 扉の隙間からお気に入りのアニメを必死に見続けようとしました。でも。所詮はこどもの浅知恵。 あっさり見つかって、病室に連れ戻されていました。
あの続きは?次の台詞は?私が後にテレビっ子に なった原点はここにあるかもしれません。

そして、当時と今で決定的に違うのがパソコンとインターネットの存在です。

電磁波の影響を疑う他の患者さんへの心理的配慮等で、PC使用禁止の病院もありましたが、 最近は持ち込み可のところも随分増えてきました。
院内学級 でも積極的に活用しはじめています。
テレビは一方的に情報が入ってくるだけですが、パソコンは双方向の発信ややり取りが できます。
なにより、自分と同じ病気で入院してる人に出会えたり、おしゃべりしたりできるのが 最大の魅力ではないでしょうか。
また、ネット上では、病気云々・障害云々を取り除いて、 一人の少年・少女として、学校では出来ないような対等な関係を結ぶことも出来ます。

ちなみに、キーボードでは操作がむつかしい人、小さな文字は読みにくい人、寝ながら作業 したい人・・・のための様々な パソコン補助具 の開発も進んできています。

また、ネットは、入院患児だけでなく、その親や家族にとっても心に風穴を開けるいいきっかけと なります。
「貴女には家一軒ぶんのお金を使ったわ」とは母の言ですが、
病気が治るならと遠方の専門病院に通うことを厭わない親たちも多いことでしょう。
病気と闘う心労に加え、長時間の通院、残された家族の世話、 親は、精神的にも経済的にも物理的にも煮詰まってきます。
同じ境遇の人たちと手をつなぐ事は、心の安らぎを得られるだけでなく、 各地で増え始めたファミリーハウス の活動をはじめ、様々なサポート情報を知ることが出来ます。

「勉強より先ず病気を治すことが先決。そう思っていたけど、実際に院内学級に足を運んでくださる先生の 訪問をこどもがどれほど楽しみにしていたか・・・」掲示板には日々親の心情が綴られていきます。

テレビやネットでは得られない、外の空気を、生の温かさを運んできてくれる先生や ボランティア
病気であっても“あたりまえ”の生活ができるよう、各地で様々な取り組みが始まっています。 くわしくはこちらへ。


病院でパソコンやネットを楽しむ方々の声

障害者のパソコン利用やコミュニケーションを支援するサイト こころWeb には、実際に、病院内でパソコンを使う人たちの事例が掲載されています。

「院内LANで心のかてを」

「病院から広がる夢の扉」

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コメント

入院ってつらいですよね‥・

顔 anika 時間 2006年 4月 29日 13:49:20

私が結婚してから、肉親が次々と入退院を繰り返しました。短期ではありますが私自身も経験しました。その度に感じた、入院生活の不便さ。不快的さ。入院した肉親の様子を見に行く私でさえ、少なからず感じたそう言った辛さは、入院している本人さんはもっと、もっと感じているわけです。ましてそれが幼い子供ならなおさらのこと。
 私の長女も3歳のとき1ヶ月間ではありますが、病気入院を経験しました。私は完全泊り込みを許されていましたが、2,3日に一回実家にお風呂を借りに行く以外、娘と病院に缶詰状態で、一ヶ月間を過ごしました。そのときのストレスも忘れられませんが、今となっては貴重な経験だったと思えます。
 さちるさんにご紹介いただいた記事はそんな患者さんやご家族の方々にとって朗報と言えるのではないでしょうか。


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